『浮世絵すべて解説 月岡芳年の月百姿』
浮世絵すべて解説 月岡芳年の月百姿
“月百姿”は、幕末から明治に活躍した浮世絵師の月岡芳年が明治18〜25年(1885〜1892)にかけて発表した連作の浮世絵である。月をテーマにした全100作の大判錦絵で、芳年最後の大作として評価されている。作品は8年間にわたり発表され、芳年の死の直後に全100作に目録と序文を添えた画帖が発売された。
内容は、武者絵・歴史画・動物画・美人画・役者絵など多岐に渡り、画題も伝統的なものから実在架空を問わず様々な人物や物語、伝説、風景、江戸時代の風俗まで幅広い。
またタイトルに反し、月の描かれていない作品もあるが、鑑賞者に月を想像させることで画面に奥行きを持たせている。
最後の数点は芳年の弟子たちが手を加えて完成させ、芳年は1892年に54歳で死去した。