『風刺画で見る世紀末のパリ 100人のカリカチュア』
風刺画で見る世紀末のパリ 100人のカリカチュア
1865年にパリで創刊された“La Lune”(月)は、政治や社会の風刺画と風刺記事を掲載し、当時のフランス政府や社会情勢に対する鋭い批判や風刺が特徴の風刺新聞である。
ジルの描いたナポレオン3世の風刺画によって検閲が入り、1868年に廃刊に追い込まれたが、同年には“L’Éclipse”(日食)を創刊し、ほぼ同じような新聞を1876年まで続けた。
本書は、主に“La Lune”と“L’Éclipse”に掲載されていた風刺画100枚に加え、描かれた人物らのプロフィールを新たに収録した。
なお、本書の9割以上はアンドレ・ジルの風刺画で占められており(4点のみアンリ・メイエ作) 、ジルの鋭い観察眼とユーモアを堪能できる貴重な資料にもなっている。